ボディコラム
Body column

ボディコラム
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「ボディースキーマ(身体図式)」

あなたが、今、箸を使って冷奴を食べているとします。

目をつぶって豆腐とお皿を交互に触れたとしたら、その質感の違いからどちらに触れたのかを感じることができますよね。しかし、箸の先にはヒトの感覚器はありません。どうして違いを感じることができるのでしょう?
それを可能にしているのが、「ボディースキーマ(身体図式)」という脳の機能なのです。

ボディースキーマとは、分かりやすくいうと「身体の感覚情報に基づいて作られた脳の中の自分」ということになります。無意識下の姿勢や運動の調整に役立っていて、このボディースキーマが正確であればあるほど、実際の動作もより正確になっていきます。

さらにボディースキーマは、身体のみならず空間や道具にまで延長するという性質を持ちます。
つまり、周囲の空間や手に持つ道具やボール、身につけている帽子やシューズなども「自分の身体の一部」として脳にマッピングするのです。

この性質のおかげで、自分の身体ではない箸の先で物を感じることができます。

また、車幅を感じてハンドルを切るといった車の運転も、ボディースキーマが車体にまで延長することにより可能となっているのです。
スポーツの世界でよく

言われる「ボールと友達になる」や「道具を手入れして大切にすると力を貸してくれる」という言葉も、「触れれば触れるほど、自分の身体の一部としてより正確に脳にマッピングされる」と考えると、理にかなっていますし、とても重要であることが分かりますよね!