ボディコラム
Body column

ボディコラム
Body column

「運動プログラム 〜脳の中の自分〜」

私たちが生活をしたりスポーツをしたりするために「動く」ことができるのは、脳で運動プログラムが作られ、それに基づいて実行しているから。この時、どういうプログラムを作るのかによって、様々な動き方の特徴がうまれます。

みなさんが気になる、「腰が落ちている」「内股」「膝が硬い」「頭(首)が前に出ている」「猫背」などの姿勢や動きも、脳で出来たプログラムの違いによって起こる結果なのです。

このような違いが生まれる理由の1つに、前号でもお話ししたボディースキーマという脳の機能があります。ボディースキーマは「身体の感覚情報に基づいて作られた脳の中の自分」であり、脳が〝現実〟として認識している自分の体です。運動プログラムは、実際の体ではなく、現実として捉えている〝脳の中の体〟に対して計画が立てられるいう特徴があります。

それは感覚情報に基づいているので、指導やエクササイズ、捻挫や骨折、打撲などのケガによって脳にあがる情報に変化が起こると、ボディースキーマ(=脳の中の自分)が変化し、それに対する運動プログラムもたやすく変化してしまうのです。

その変化が実際の体に合わないと、1つの部位に負担がかかったり、力が発揮できない状態になったりして、痛みやパフォーマンスの低下へとつながっていきます。

私たちが当たり前に感じている〝体〟は、肉体ではなく、肉体からの情報に基づいて作られた〝脳の中の体〟なのです。ですので、私たちが「動く」ためには、肉体としての『実際の体』と現実として捉えている『脳の中の体』という〝2つの体〟が必要ということになります。

この2つを一致させることが、痛みやパフォーマンスの問題を解決していくための〝カギ〟となるのです!